旅の途中で訪れた、遠い東の国。
「まぁ♪ 始めまして、私はこの国を統治しているミーネと申します」
宮殿の中で、明るい口調で挨拶をしてくれる女王様。
名前はミーネといい、とても美しい姿をしている。
「先程は旅の途中、魔物から城の者を助けていただいたとか、あぁん、大変感謝しておりますわ」
偶然国の兵士を助けて、そのままこの宮殿へと案内された。
旅の途中、他所からの旅人に優しい国だけではなかったので、ここまで歓迎してもらえるのはちょっと嬉しい。
「聞けば、遠い西の国から旅をしてきたそうで……どうか、近くでお顔を見せていただけないでしょうか」
そう言うと、そっと近づいてくる女王様。
「まぁ……素敵なお顔……本当に、我が国の者とは顔立ちが違うのですね」
綺麗な手が、僕の両頬に触れる。
「私、珍しい物に興味を惹かれる性格なのですわ…お耳の方はこちらの男性と変わらないのですね」
そのまま目の前で、顔をじっと覗き込む女王様。
歓迎してもらえるのは嬉しいけど……積極的な行動にドキドキしてしまう。
「こうして少し息を吹きかけただけで、ビクビク反応する所は同じ、違いは外見だけなのかしら」
耳に息を吹きかけられて、思わず震えてしまった。
「あぁん、もっとみたいですわ……あなた様の事、じっくり観察したい……近くに置いて、飼いたいぐらい」
その様子をみて、女王様が少し嬉しそうに笑う。
飼いたい……何か、聞き間違いだといいけど。
「いやん、離れないでくださいな……そんな目で見ないでください……私、疑われてるみたいで悲しいですわぁ」
気のせいか、目の前の女王様に魔物と同じような気配を感じる。
「それとも、何か違和感でもありますの……まるで、人あらざる者を見るような目つきをしていますわよ」
でもよく見ると、本当に……綺麗な姿をしてる。
気配に警戒してるせいか、見惚れているのか、その顔から目が離せない。
「驚かしてしまいごめんなさいませ、私、ずっとこのような生活をしているので、あまり外界を知らないの」
喋りながら、また女王様が近づいてくる。
「数年前、私の夫で、この国の本来の統治者である王が亡くなって以来……ずっと、一人でこの国を統治してきたのです」
そのまま、両手をこちらの肩に回して耳元で囁かれる。
「だからつい、外国からの旅人に興奮してしまいました……こうして耳元に近づかないと本音も言えないような、そういう生活をずっとしていたのです」
周囲に兵士がいる中、小声で囁かれて、体がビクビク反応してる。
言葉の一つ一つが気持ちいい、その声に魅了されてしまう。
「ちゅっ……今晩、皆が寝静まった後、私の寝室に来てくださいな……大丈夫、警備の方は誰も来ないようにしておきます」
頬にキスをされた瞬間、ビクンって……何かが出そうになった。
「どうかお気持ちが変わらなければ……んちゅっ、ちゅっ、私の為に、会いに来てくださいませ……いやぁん♪」
あそこは何もされてないのに、唇が触れただけで凄い気持ちいい、このまま倒れちゃいそうだ。
この女王様は何か危ない、早くここから出ないと……でも。
「まぁ♪ 良かった、来てくれたのねぇ……嬉しいですわ」
一晩だけなら……明日はすぐここを出よう。
「少し誘いが強引でしたので、本当に来てくれるか不安でしたの……でも、私のお願いですもの、断れるわけないですよね」
本当に、ここまで誰もいなかった。
途中一人でも兵士がいたら辞めようと思ってたのに。
「ここまで来たらもう引き返せないわよ……うふふっ、これは命令です、横に来てください」
いつの間にか魅了されて、気持ちがふわふわしてる。
命令されるまま、ベッドにいる女王様の横へと座り込む
「そう緊張しないでいいの……これは私が望んだのだから、この国に入った以上、女王の言葉は絶対なの」
そう、僕は誘われただけ、
自分から会いたいなんて思ってない。
「そちらの国では女王が庶民と二人きりで会うなんて許されませんか? でも大丈夫……ここなら全て、無かった事にできますから」
本当に、西の国でこんな行為を気づかれたら、どんな処分になるかもわからない。
「どんな願いもわがままも……なんでも、思い通りになりますの、例えば……うふふっ、ほら」
でもこの国なら大丈夫……喋りながら女王様が口を近づけてくる、
頬に触れただけで逝きそうになった唇が、僕の口元に。
「んんっ……んぁ……んーっ……んふんっ♪ この国の女と口づけするのは初めて?」
ベッドに旅人を押し倒しながら、女王様が唇を重ねてくる。
舌が奥まで入ってきて、何これ……気持ちいい。
「うふふっ、この国ではね、高貴な方の妻となる女は皆……一定以上の性技を仕込まれているの」
上唇を優しく吸われたり、少し焦らして重ねてきたり。
「口づけだけでもいくつも作法があって……どれでも殿方を逝かせられるように、古来から研究されているのですわ」
部屋に焚かれたお香のせいか、体も熱い。
目の前の女王様が、どんどん魅力的に見えてくる。
「ちゅっ♪ さ、力を抜いてくださいな……大丈夫……これは勇者様の緊張を解しているだけ」
唇だけじゃなく、頬、首筋、様々な箇所をキスで責められる。。
「それに私、知りたいの……うふふっ、ちゅっ、遠い異国の口づけ♪ だからもっともっと、教えてくださいな」
そう言うと唇を離し、挑発的な目でこちらを見つめる女王様。
ちょうど窓からの月明かりに照らされて、唇の部分が輝いて見える。
「んぁ……ちゅっ……いやん♪ あらあら、少し唇を重ねただけで蕩けちゃったわ」
勇気を出して、美しい女王様と唇を重ねる。
でもこちらから動いたのは最初だけで……つまらなそうな女王様の反応と共に、あっという間にまた押し倒されてしまった。
「西の国ではそれほど性快楽を追求していないのでしょうか、それともこれは単純に……勇者様が、女性と性体験していないだけなのかな?」
確かに……女の人と……こんな事をするのは初めて。
本当のことを言われて、思わず目を背けてしまう。
「どうやら後者のようですねぇ……んぁ……ちゅっ……まぁまだ大人になりたてのようですし……仕方がないですわ」
情けない旅人の正体に気づいたのか、女王様が積極的に唇を重ねてくる。
「なら旅の思い出に……たっぷり感じてくださいませ……ちゅっ……この国の……うふふっ、全てを虜にした女の性技♪」
その度に体が反応して、恥ずかしいあえぎ声も大きくなって。
唇だけで拘束されてる……これがもし魔物なら、何もできないで負けちゃってる。
「甘い言葉と吐息で耳を刺激して、殿方の性感を高めますの」
もう駄目……逝っちゃう。
「あらあら、そんな寝台にしがみついてどうしたのです……まぁ、倒れ込んでしまいました」
キスに耐えきれなくて、これ以上されたら変になっちゃいそう。
気がついたらベッドの上でうつ伏せになって、まるで何かから逃げるように震えてる。
「女王の寝台にうつ伏せで倒れるなんて、うふふっ、これはさすがに不敬ですわね、ほら、後ろから覆いかぶさって、もっと聴覚を刺激してあげます」
でも女王様は逃してくれない、そのまま後ろから抱きしめてくる。
「んちゅっ……ちゅっ……んんっ……どうです、いつもそこで休んでいるので、匂いがしみついていますでしょ」
かえって追い詰められてしまった。
それに何かベッドから……甘い匂いがする。
「そちらの言葉ではベッドと言うのでしたっけ、やん、ちょうどそこ、私のお尻が乗っかるあたりですわ」
女王様のお尻……この国特有のドレスを着ていて、その上からでも形がわかるぐらい、大きくて柔らかそうだった。
「ちゅっ、んぁ……女王との使命に押し潰されそうで、寂しい時もありますの……そういう時はひっそり自分を慰めたりして、いやん、少し染みが残ってるかもしれません」
最初に会った時も、玉座に戻る女王様のお尻をずっと見てた。
顔だけじゃなくてその全身に、僕は魅了されちゃってる。
「あらあら、体が固くなってきました……私の言葉に反応したのですか」
確かに何か湿ってる。
女王様のお尻と、愛液の匂い。
「んちゅっ……ちゅっ……まだ匂いが残っているかも……だから決して、クンクンしないでくださいな、やん♪」
こんなの駄目……クンクンしたら逃げられなくなる。
完全にこの人の虜になっちゃう。
「あらあら……女王の寝台に埋もれて、上からは柔らかい女体に押し潰されて、全身を私の香りに支配されてしまいましたね」
自分の寝床をクンクンしてる旅人を見て、女王様が残念そうに声を出す。
「もちろん、香水も極上のものを使っていますわ……、殿方を、この国の王すらも惑わした、秘密の花の香りですの」
いい匂い、上からも下からも女王様の香りがする。
その度に体が溶けそうになって、この人の事しか考えられなくなる。
「うふふっ、普通の者……人間じゃ……手に入りませんのよ……いいですよ……さ、もっと私の匂いに溺れなさい」
気のせいか、本当に女王様が魔物に思えてきた。
でももう、この香りが気持ちよくて……逃げられない。