サキュバスの巣に囚われて

一人の男がサキュバスに犯されている。

男は壁に備え付けられている手枷によって張り付けにされ、体の自由を奪われていた。

その前でまだ外見に幼さを残すサキュバスが、何かおもちゃをいじるかのような手つきでペニスを触っている。

「おい、やめろ、頼むから放してくれ!」

「嫌だよ、やめなーい。気持ちいいでしょ、私の手コキはみんなの中でも上手って言われてるんだから」

幼いサキュバスは手に取ったペニスを面白そうに、そしてやや乱雑にしごいている。

その度に男は喘ぎ声をあげ、その姿を見て幼い淫魔はクスクスと楽しそうに笑っていた。

「この泥棒淫魔! なに人の獲物を盗ってるのよ!!」



ふいに横から別のサキュバスが現れ、この食事風景に割り込んできた。

途中から現れたサキュバスは、もの凄い剣幕で仲魔を怒鳴りつけている。

「何言ってるの。私、全然わからなーい」

男のペニスをしごく動きを止めず、幼いサキュバスは何も知らないふりをする。

「可愛い子ぶってるんじゃないわよ。あのね、この人間は私が捕まえた獲物なの、さっさと返しなさい」

「えぇ〜、別にいいじゃん。ほら、私にしごかれて、これこんなに喜んでるんだよ」

そう言うと、幼いサキュバスはペニスを掴んでいる手をギュッと握りしめた。

か細い手から伝わる強い刺激に、男の喘ぎ声は大きくなる。

「うっるさいわね、いいからさっさと返しなさい!」

他の淫魔の手で興奮する自分の獲物が、サキュバスとしての怒りに触れたのか、

乱入したサキュバスは声を一層荒げ、目の前にいる仲魔を強く突き飛ばした。

悲鳴をあげながら、幼い淫魔は遠くの方へと転がっていく。

「あんたもあんたよ、何見知らぬサキュバスに、ほいほいついて行ってるのよ。

 あんな大して上手くもない淫魔に、しごかれて興奮しちゃって」

サキュバスは、奪い返した獲物を睨みつけると、

手をするりと伸ばし、先ほどまで別の淫魔が弄んでいたペニスを強く掴んだ。

「まだ調教が足りなかったようね。他のサキュバスで満足する事がないよう、しっかり教育してあげるわ」

サキュバスはそう言うと、つかんだペニスをしごき始めた。

先ほどの幼いサキュバスの楽しむような動きと違い

ペニスをしごく動きは速く、規則的で、搾り取るように、手を激しく動かしていく。

「ほら、さっさと射精なさい。あんな小淫魔で満足しないよう、本当のサキュバスのテクニックを見せてあげる」

男の喘ぎ声がだんだん大きくなっていく、その様子をサキュバスは満足そうに眺めると。

もうすぐ限界を迎えるであろう獲物の精液を食すため、ペニスの前にその美しい顔を近づけた。



「どーん!」

男が射精する寸前、先ほどの幼いサキュバスが横から突進するように現れた。

前屈みになり完全に油断していたサキュバスは、悲鳴をあげながら反対方向に突き飛ばされていく。

幼いサキュバスは自分を突き飛ばした仲魔が遠くに転がっていくのを見て、心の底から嬉しそうな笑みを浮かべると。

続けて目の前にぶら下がっている、射精寸前のペニスを口に加えた。

「はひて、いいよ」

ペニスを咥えながら、上目遣いでこちらを見つめる幼い淫魔に我慢できなかったのか、

自分を捕まえたサキュバスへの裏切りの恐怖とも、快感からの気持ちよさとも取れる声をあげながら、男は果てた。

幼いサキュバスの小さな口に男の精液が溢れ、飲み込めきれなかった白い液体は、口の外へと漏れていく。

「ん、んん………ぷはぁ」

幼いサキュバスは口から溢れでた精液を腕で拭うと、

精を得たサキュバスの本能だろうか、その外見から想像もできない大人びた笑みを浮かべた。

「ああ、すいませんすいません………どうか怒らないでください」

主人を裏切った罪悪感からなのか、

目の前にいないのに、男の口から謝罪の言葉が何回も繰り返されていく。

「心配しなくてもいいよ、もし捨てられても私が面倒みてあげる。

 あぁ………やっぱし新鮮な精液はいいわぁ、これだからサキュバスはやめられないわ」

「なに大人びた事言ってるのよ、この精液泥棒」

先ほど転がっていったサキュバスが再び戻ってきた。

獲物の精液を奪われた事で、怒りはより激しさを増している。

「ん〜、もう帰ってきたの。思ったより早かったね、でもね、もう精液はいただいちゃった」

そんなサキュバスの心情を知らないのか、または知っているのか。

幼い淫魔は無邪気に、あっけらかんと同族の怒りに答える。

「ねぇ、この獲物私にちょうだい。私の方がこのちんちんも嬉しいみたいだし、

 ほら、こんなに沢山の精液を出したんだよ」

幼いサキュバスは小さい口を開き、口の中にまだ残っている精液を仲魔に見せつけた。

「ふん、何がこのちんちんも嬉しいみたいだし〜よ

 それを射精寸前までしごいてあげたのは誰だと思って

 あんたのその粗末な腕前じゃ、せいぜい出てもこれっぽっちの精液しか出ないわよ」

二つの指がくっつくぐらい、サキュバスは親指と人差し指で小さな隙間を作り、

怒りと嫉妬で半分ムキになりながら、目の前の幼い淫魔へ見せつける。

「あぁーひどぃ。なら私の腕前を見てみなさいよ、びっくりさせてあげるんだから」

「ふふ、いいわ。子淫魔の腕前がどんなもんか、しっかり見てあげようじゃないの」

幼いサキュバスは、再び男のペニスを掴むと

まだ小さい自分の体を精一杯伸ばし、それを自らの秘部へと導いた。



「気持ちよくなったら、遠慮無く逝っちゃっていいんだからね」

男のペニスが、幼いサキュバスの膣内に呑み込まれていく。

気持ちいいのか、ペニスが包み込まれた瞬間、男の体はびくりと動いた。

「………わかっているわね、こんな小淫魔で無様に逝くんじゃないわよ」

その様子を見て大人のサキュバスは、腕を組みながら自らの獲物に釘を刺した。

快感に悶え、無理と言わんばかりに、男は首を横に振って主人に答える。

「んふ、入っちゃった、それじゃあ動くよ〜」

そんな男を見て止めを刺そうと、幼いサキュバスは、その小さい体を動かし始めた。

小刻みに、リズム良く、サキュバスの小さい体は動き、男の体と擦れ合っていく。

「どうっ、気持ちいい? こんな幼いサキュバスとやれるなんて、貴重な体験だよ、あんっ」

くわえ込んだペニスに、サキュバス自身もまた感じているのか

小さく喘ぎ声を上げると、乗りかかっている男の体へしがみついた。

幼いサキュバスの背丈は小さく、その頭は男の胸の辺りにぴったりとくっついて離れない。

短く綺麗に整えられた髪が男の鼻先を掠め、甘い匂いを放ちながら獲物を誘惑していく。

「いいよ、私の匂い沢山嗅いでいいから。その分いっぱい精液だして!」

肉体だけではなく、匂いからも責められ、男はあっと言う間に果ててしまった。

ペニスをくわえ込んでいる陰部から、白い精液が溢れていく。

「えっ、もう逝っちゃった。いくらなんでも早過ぎだよ、つまんないなぁ」

男のあまりにも早い射精に、幼いサキュバスは戸惑いの顔を浮かべたが、

何かに気づいたらしく、その表情はすぐさま淫魔らしい、妖艶な笑みへと変わっていく。

「でも、すぐ逝ったぶん。それだけ次の精液が早く楽しめるから………まっいいか」

幼いサキュバスの体が、再び上下に動き始める。

「いやっ、無理………もう、これ以上出したら」

これ以上この幼い淫魔に付き合ったら、どうなるかわからない。

そのような男の心情を察したのか、絡みついている幼いサキュバスの体が、すっと抜けた。

「えっ、ちょっと何。 これからが楽しいのに、酷いよ!」

男の本来の主であるサキュバスが、幼い淫魔を自分の獲物から引き離した。

危ないところを主人に救われ、男は安堵の表情を浮かべる。

「何よってそれはこっちの台詞よ、次は私の番よ。

 目の前であんなのを見せられたら、久々にサキュバスのプライドが沸き立ってきたわ。

 さ、あんたもボケっとしてないで、さっさとその粗末な物を起たせなさい」

男の表情は、一瞬にして恐怖の色に塗り変わった。

再び、大きな悲鳴が広場に響いていく。



横から、この修羅場を冷静に見つめている一人の男とサキュバスがいた。

「なんだか、あっちは大変な事になってるね」

「ええ、最近はほら、獲物不足らしくて………みんな気が立ってるのよ」

不思議と、男にサキュバスを恐れる様子はない。

それどころか一緒にいるサキュバスも男を襲おうとせず、仲良く手を繋いですらいた。

「あんな事するから、捕まえた人がすぐ死ぬのに………なんでわからないのかな」

同じ人間の仲間が、無惨にもサキュバスに襲われてるのを見て、男は露骨に嫌悪感を表している。

「ごめんなさい、みんなわかっているんだけど、

 サキュバスにとって精って本当大事な物なの、だからつい取り過ぎちゃう事が多くて」

そんな男を見て、申し訳なさそうにサキュバスは言った。

「いいんだ、そうしないと君達サキュバスは生きていけないんだろう。

 だからこうやって僕も、君とするんじゃないか」

男はサキュバスに抱きつき、唇を重ねた。

一人と一匹の顔が重なり、時が止まったように、長い口づけは続いていく。

「ごめんなさい。本当はあなたみたいな人とまで、やりたくはないのだけど。

 もし、何かの弾みで………私があなたから精液を吸い取りすぎて、殺しちゃう事なんてあったら」

恋する獲物を殺したくないが、サキュバスの本能には逆らえない。

顔に手を当て、サキュバスは思わず泣き崩れた。

男はそんなサキュバスをやさしく起こすと、強く………



こんな所に来てまで、他人の恋模様なんか見たくもない。

アルコは視線を他のサキュバスへと移した。



その4へ



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